小豆にサードウェーブを!

UPDATE:
2023.04.23
  • #和菓子のこころ

コーヒー豆のサードウェーブとは

小豆の話しをする前に、コーヒー豆のお話しをさせて下さい。30年ほど前まで、コーヒーを楽しむのは「カフェ」ではなく「喫茶店」でした。(スターバックス日本1号店の創業は1996年)喫茶店のスタンダードなコーヒーは「ブレンド」か「アメリカン」。こだわりのコーヒーは、「モカ」や「キリマンジャロ」でした。しかし「モカ」も「キリマンジャロ」も、原産国の名前ではありません。モカはアラビア半島の港の名前だし、キリマンジャロは山の名前です。

 

「もっと産地や製法の魅力を知って欲しい」という切実な思いから、コーヒー豆の表記は劇的に変わりました。原産国を表記するのは当たり前。さらに生産している地域や、農園の名前まで紹介されるようになりました。「原産国×精製方法×焙煎方法」を基本として、そこから醸し出されるコーヒーの個性にまで言及。「ベリーのような酸味」「ショコラのような甘み」「ナッツのような香ばしさ」など。焙煎士はただコーヒー豆を煎るだけでなく、生産国や生産者に寄り添いつつ、時にはロックのように激しく、時にはクラッシックのように穏やかに、文章に世界観を込めるアーティストのようになったのです。

https://www.hi-vision.net/posts/1755312/  引用元 HIVISION  夫婦で営む小さなコーヒーショップ「tonbi coffee」より。素敵な記事なのでリンク先も是非!

 

コーヒー豆と比べて小豆は…

小豆にこだわっている和菓子店はたくさんあります。しかし、コーヒー豆の世界観が劇的に変化したことに比べたら、和菓子職人の小豆への探求心は、まだまだ発展途上だと思います。良い小豆の代名詞「北海道十勝産」。微笑庵では「十勝」のその先へ、もっともっと心を馳せようと思います。まずは、市町村別の収穫量について調べました。

国土交通省 北海道開発局資料より

この収穫量ランキングを、十勝の地図にプロットしてみました。収穫量が多いほど、ドットが大きくなっています。

微笑庵の十勝小豆への情熱

今回取り寄せた小豆は「音更町」と「鹿追町」産。収穫量で3倍、人口で8倍の差があります。音更は町全体が平地ですが、鹿追は北部に大雪山や然別湖があります。地理的な魅力を、好奇心旺盛に調べ上げて、ワクワクしながらあんこに炊き上げたいと思っています。いつか、十勝管内のJAをはしごしながら、北海道小豆を味わい尽くす旅を夢見ています。