白玉ぜんざい販売開始2023

UPDATE:
2023.06.27
  • #和菓子のこころ

あんこ好きな方にこそ、是非召し上がっていただきたい

国産小豆の最高峰、皆さまはどこだと思われますか? 一般的には北海道の小豆が最も有名です。生産量も多く、品質も素晴らしいです。しかし、それを超える小豆を目指して、はるかに手間暇かけて大切に育てられている小豆があります。京都産丹波大納言と、石川産能登大納言です。

京都産丹波大納言

北海道産の小豆の収穫は、機械で一斉に刈り取ることがほとんどです。しかし、私たちがお世話になっている綾部市新庄生産組合さんは、ひと莢(さや)ひと莢、手で収穫されています。なぜか。それは、完熟した莢のみを厳選して収穫するためです。最初の収穫から最後の収穫まで、1か月近くかかるそうです。その丁寧さは、単に良い小豆を目指しているのではなく、圧倒的な最高品質を目指しているのです。その志の高さは畑に表れています。私たちは美濃与様のご厚意で、たくさんの畑を見せていただきましたが、畝の作り方、雑草の処理、すべてにおいてきめ細かいのです。

畑を見れば…

お世話になった美濃与の山口さんからお手紙を頂き、今でも大切にしています。その一部をご紹介させていただきます。

「ただ小豆を植えているだけの畑と、手塩にかけて最高品質を目指している畑に違いがあることを忘れないでください。畑を見れば作り手の志がわかります。ここまでくるのに何年もかかってますし、これからも進化すると信じています。一度見ただけでわかったと思わず、一生が勉強だと思い、本物を見極める目を養い続けて下さい。」

微笑庵の白玉ぜんざい

奈良市で菓子作りをされている樫舎の喜多誠一郎さんは、新聞に連載されたコラムの中で「味の作り手は畑と農家」と書かれており、私たちもまさにその通りだと思っています。生産者の積み重ねてこられた努力、情熱、丹波や能登の風土があってこその味です。菓子職人は、授かった素材の味を減点せぬよう、穢さぬよう、精進させていただいています。

あんを炊くことをこの上なく愛し、大切にされていた師匠の流儀は、あずきの一粒一粒がほとんど煮崩れることなく凛とした美しさを讃えているのに、口に含むと皮をほとんど感じることなく、すっと溶けてしまうように炊くことです。煮崩れしないのに溶ける。この二律背反に挑戦するのが職人技だと。

白玉団子に添加物は入れておりませんのでその日に食べないと固くなります。しかし、無添加の白玉団子のつるりとすべる食感は絶品です。

「白玉ぜんざい」を見れば、そのお店の技量や美意識は一目瞭然です。是非、お召し上がりください。